サロンの原点
一日の始まりに
自サロンでは毎朝営業開始前に朝礼を行っている。
その朝礼の中の項目に倫理法人会の「職場の教養」を読み上げ、そこに書かれていることをその日一日意識して過ごし、終礼で各自振り返るというものである。
職場の教養
職場の教養は教養文とキーワードから構成されており、毎月カレンダー日数から構成されています。
07/15の教養
07/15(月)の教養の今日の心がけは「職場の原点を知ろう」
ひとりのスタッフが自サロンの原点に触れてきたのが話の始まりです。
幾つかある原点
ちょっとここで「原点」という言葉をググってみました。
ー(距離などを測る時の)基準にする点。数学では、座標を定めるための基準点。比喩的に、物事の根源を成すところ ー
なるほど…
わかりやすいところで「物事の出発点」という意味合いで解釈して間違いなさそう。
一言で原点と言っても幾つかの大きなカテゴリーからなるであろう自サロンの原点
・サロンの出発点
・商いの出発点
・自分の経営者としての出発点 などなど
その中でも「サロンの出発点」=「サロンの原点」について終礼でスタッフには触れました。
サロンの原点
振り返れば年齢にして27歳。親の反対を押し切り裸一貫で開業。
開業初日は満員御礼
開店二日目は普通
開店三日目から閑散のスタート
以降、想像にお任せしますが、このままでは家族を養えない。親に啖呵切って開業したのに…
悪夢が脳裏をよぎる日々。
組合の規制が強い時代。大きな戦略も打てず、小さな戦略打っても手応えなく、自分が否定されてるよう、そんな思いの日々。
そんな中から一つの光を叩き出し、そのチャンスを逃すことなく、今があります。
20年前を端的に語ればこんな感じですが、その中でもひときわ声を大にして伝えたい事。スタッフ皆にはそれを伝えさせていただきました。
当たり前じゃないこと
「サロンが開店すればお客様が来る」
この当たり前のようで当たり前じゃない事
今、私のサロンではありがたいことにお客様が沢山来てくれます。入店したスタッフはお客様が当たり前に来てくれることしか知りません。当然、その状況の時に新入社員で入ったのですから。
ここに一つの大きなキーワードがあります。
あなたは何もわからないサロンに行きますか?
そんなサロンに自分の髪を任せますか?
答えを聞くまでもありませんね。私なら行きません。
集客法
20年前の集客法は一見・口コミ・チラシ・ポスティング・メディア(TVなど)。現代の集客法は上記にプラスしてホームページ・各種SNS・インターネットポータルサイトなど。
主にネット関連が主軸になった広報拡散スタイルになってきました。
20年前といえば、まだ、ガラケーですからね。しかも白黒画面。iモードが始まったかどうかの時代。きわめて拡散力のない時代です。良い店があったら口コミで人から人へ…。
先のも述べましたが、当時、組合の規制が強く、広告媒体には圧力がかかっていた時代。居ぬきのテナント一軒家で出店した私のサロンはおそらく「近所の方々と身内以外ほとんど知られていなかった」と思います。
この状況からサロンを軌道にのせるまでの経緯はここでは割愛させていただきますが、サロンがそんな具合でしたから、閑散とした日々からお客様が一人またひとりと増えていくことの喜びは、そこに居合わせた私にしかわからないことかもしれません。そして、なにかのフレーズですが「神様」に本当に思えます。
当たり前のようで当たり前じゃないことを伝えていく大切さ
「店を出店すればお客様は自然に増える?」
答えはノーです。
私達の業界なら
「技術が上手い」
「スタッフの感じが良い」
「良い商材商品を取り扱っている」
「店内の雰囲気が良い」
「予約styleが便利」
「クレジットが使える」などニーズはさまざま
先ずは内側のサロンの戦力の底上げをしなければなりません。そして、それが出来たらそれをどう外に伝えるか?
20年前はこの外に伝える手段に規制をかけられたのです。じゃぁ、どうする?
皆さんならどうされますか?
ネットはない時代です。
「お客様が一人またひとり増える喜び」
私のここからのスタートは今の自分を構築していく上でとても大きかったと思います。そして、それをスタッフに伝えていく義務があります。
それは好きでサロンにいらしてくれるお客様の為であり、またスタッフの為でもあります。
人の本質
大切なことは「昔も今もお客様は変わらない。お客様のニーズは移り変わっても本質は変わらない。」
「何を求めて自サロンにご来店いただいているのか?」ここをしっかりと受け止めなくてはなりません。
何度も言いますが、お客様を増やすことはとても大変です。だからこそお客様を減らさないことも大切です。
気持ちを言葉で表す
電話予約やネット予約において、私がスタッフ皆に伝えていってる事、それは、
「お客様側の立場になった気持ちで予約を受ける」
一般的な話しですが、予約が混み合ってきている日ほど人の対応は雑になりがちです。それは忙しいから気持ちも慌ただしくなるからです。
特に電話対応だとその気持ちが言葉の端々に現れがちです。人は相手が見えない時ほど聞こえてくる声に敏感になります。ちょっとしたイントネーションの違いから相手の気持ちを悟ってしまいます。
サロンが混み合っていてどうしても予約が入れられない時、お客様が目の前にいてお断りするのと違って、電話だと誤解も招く確率が数段上がります。
だから私のサロンではレセプションとして電話応対専属のスタッフを配属しています。サロンの混み具合に関係なく均一な電話応対ができるからです。
またそのレセプションスタッフに伝えている事は、「簡単にお客様を断らないこと」です。
私の想い
最後に私の想いは、話しも原点に戻りますが、「サロンの原点」
それは、「お客様ありき」の上で私達美容師が美容の世界で生きていくと決めた、その好きな美容の世界で飯が食えるということです。
お客様がいなければ好きな仕事もできません。
サロンの原点は、「人」「マンパワー」による時代のニーズに応えられる美容師クオリティーかもしれませんね。
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